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1年の学年演技は代表生徒の笛の合図に合わせて単調な動きをする、というものだった
本当に簡単な動きだが、今の俺たち2年生に真似をしろと言われても簡単には真似出来ないだろう  この学校に馴染みきっていない1年生だからこそ、全員が動きを合わせられるのだ  2・3年はこの学校に慣れ切っている  そして学校に慣れていくと同時に手の抜き方も学んで行く  だから単調な動きは逆に真似がし辛いのである


1学年演技を見終え、昼食をとる



午後の部が始まった


午後の部の最初に行われたのは玉入れだ  菊部長と真白ちゃんが出ているはずだ
玉入れのルールは誰もがご存知の通り、高い位置にある籠にお手玉を放り込めばいいだけだ  しかしと言うかやはりと言うか、コレまたちょいと変わったところがある
お手玉の色は全部同じ白色で、どのクラスが入れても点が入る事になっている  しかし、残り時間が半分になった時点で各クラスの籠の下に括りつけられている袋が開き、色つきの玉が落ちてくるのだ  色つきの玉は1個につき3点  玉はクラスによって色が違い、自分のクラスの玉の色でないと点数に換算されないのである

全学年合同で行われるその競技の結末は、果たしてCクラスが1位となった

他のクラスが下手だったというわけではない  菊部長が余計な事をしたわけでもない  ただ、Cクラスが規格外過ぎただけだった

Cクラスの1年メンバーは、真白ちゃん・中野飛鳥・星見叶の3人  これは聞いた話だが、中野は開始直前に先輩たちに対し作戦を提示したそうだ  『後半になったら、相手の色玉を相手の籠に入れろ』と
説明不足に思えるが、実際はこれほど的確な表現はなかった  つまり敵の色玉を、別のクラスの籠に入れろということだ  得点の高い玉をいち早く失くしてしまう事で、相手の得点源を奪う事が出来る  更に籠の大きさは決まっているため、余分な玉が入り込んでしまうと自分のクラスの玉の入る数が減ってしまうのだ
点数を稼ぐ役、妨害をする役、自分のクラスの玉を確保する役  それぞれが上手く機能していたので、他クラスと圧倒的な差をつけていた


次は2年の学年演技  俺たち2年生の演技は簡単に言うとダンスだ  曲に合わせて踊る、ただそれだけのモノ  高校生らしさという理由から組体操をダンスの中に組み込んでいる
280人が一斉に踊る分、統率力に欠けてしまう  それは良く言えば自由度が高いということだ  ダンス自体を台無しには出来ないが、細かな動きは幾らでも応用が利かせられる  1年とは反対に、学校に慣れきっているからこそ出来るものだと俺は思う


2年の学年演技が終わり、次は借り物競争が始まる

俺はこの高校に入って、初めて実際に借り物競争を見た  時間がかかるうえに、全員がゴール出来ない可能性があるので、学校行事である体育祭で行うにはリスクが大きすぎるのだ  かと言って、借りてくる物を学校側で用意してしまうと、それは単なる出来レースだろう
そんな借り物競争をやっているこの学校は、やはりどこか変わっているようだ

緑   「あっ、部長いたよー」
昌   「部長は小さいから見付けやすくていいなぁ」
雪満 「それをいいと思うのは本人以外だろうがな」
昌   「俺らのクラスからは誰が出るんだったっけ?」
雪満 「さぁ?」
緑   「知らないなぁ」
優輝 「知るわけないな」
昌   「先生がそんなでいいのかよ……」
優輝 「うっせぇ、テメェラもクラスの事ぐらい把握してやがれ」

クラスに薄情な俺たちだった
互いに言い訳をし合っている間にスタートの空砲が鳴り響いた

昌   「俺いっつも思うんだけどよ、何でスタートの合図でいちいち空砲とか使ってんの?」
雪満 「言ってる意味が分からんが…?」
昌   「ほら、スタートの合図なんて空砲なんて使わなくても、他の物で代用できるだろ?
     なのに、何で特に使い道のない空砲なんて使うんだろうな?って事だよ」
緑   「言われてみれば……」
昌   「それこそ空砲の音を録ったテープでも流せばいいじゃねーか、といつも思うわけよ」
雪満 「場の雰囲気を出すためとかじゃ?」
昌   「わざわざ空砲に気を向けてる奴なんかいないだろ?  それにやってみりゃ分かるが、
     空砲って近くで聞くと頭が痛くなるぐらいうるさいんだぜ」
雪満 「まぁ非効率的なのは確かだな」
昌   「スタートの合図なんて分かればいいんだよ  ぶっちゃけ放送部員が『よーい、ドン!』
     って言えばいい気がする」
雪満 「いろいろ台無しになるな、雰囲気とか」
昌   「他にはそうだな……  音楽室にある太鼓でも叩けばいいんじゃね?」
雪満 「空砲に並んで非効率的だろ  そして明らかに場違いだ」
昌   「あえて逆の発想で、音楽が鳴り止んだと同時にスタートとかどうよ!?」
雪満 「椅子取りゲームが始まりそうだな」

借り物競争そっちのけで喋っていると、不自然に音楽が鳴りやんだ  そして、同時にマイクのスイッチが入る音がした

緑   「落し物でもあったのかな?」
雪満 「競技中に放送するか……?」


『あ、あーあー、テステス  いろはにほへとちりぬるを!  マイクテスー』


聞いたことのある賑やかな声が聞こえてきた


『ようやくマイクを占拠出来ました!  先生を説得するの大変だったんだよ!  ……え?あ、スミマセン  ……はい、はい、分かりました』
『というわけで!  今から実況と解説を交えて行きたいと思います!  実況はワタクシ、放送部1年、中野飛鳥  そして解説は同じく放送部1年、金澤美由紀でお送りいたします!』


雪満 「何やってんのアイツら!?」
緑   「最近見ないと思ったら放送部に入ってたんだね~」
雪満 「そういう問題じゃねーよ!?」
昌   「おぉー、実況すんのかー  面白そうだな!」
雪満 「お前は気楽すぎやしねぇか!?  ちょっとは事態の異常さに驚けよ!」
優輝 「祭りのテンションなら何でもアリなんだろ」
雪満 「だからお前は先生なんだろ!?  ちょっとは驚くなり事情を聞きに行くなりしろよ!」
優輝 「アイツらには何言っても無駄だ」

俺一人だけが慌てているところに、菊部長がやってきた―――



飛鳥 『えー、今日今までのほぼ全ての時間を費やしてようやく先生方を説き伏せたわけですが、
     残る競技は借り物競争と騎馬戦だけですね、金澤さん』
美由 『そうだな―――いや、そうですね、中野さん』
飛鳥 『とりあえず選手が物を探して駆けずり回っている間に、競技の説明をしたいと思います』
美由 『普通の借り物競争とは違うのか?――いや、違うんですか?』
飛鳥 『えーっとですね……  借り物競争といえば、紙に書いてある物を持ってくる、です』
美由 『一般的に知れ渡ってるのはそんな感じだな―――いや、ですね』
飛鳥 『ですが!  この借り物競走は、紙に書いてあるのがちょっと変わっているわけです』
美由 『ほう?  と、言うと?』
飛鳥 『紙に書いてあるのは―――  クイズ形式の何かです!』
美由 『あんまり詳しくなってないな―――なってないですね』
飛鳥 『その人の解釈によって答えが変わっちゃうわけです』
美由 『つまり、何持ってきてもいいと?』
飛鳥 『ゴールに待ち構えている、生徒指導担当教師、鏡野先生に認められればゴールです』
美由 『そりゃまた物騒―――いや、恐ろし―――とんでもないな』
飛鳥 『ですよね~  あ、今さっき「二人とも後で生徒指導室に来るように」って鏡野先生が
     言ってましたよ』
美由 『マジで!?』
飛鳥 『さて、競技説明も終わったところで、ようやくゴールに向かって人がやってきました』
美由 『アレは…………誰だ?』
飛鳥 『まさかの解説が役立たず!!  えーっとアレは、恐らく3年D組の方ですね』
美由 『3-Dの誰なんだ?―――いや、誰ですか?』
飛鳥 『さぁ?』
美由 『…………』
飛鳥 『…………』
美由 『えーっと、うん、まぁ、なんだ、名前が分からなくたっていいじゃん』
飛鳥 『……だよね!  というわけで彼の事は《名も知らぬ彼》と呼ぶことにしましょう!』







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 2012_09_27

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